改組 新 第3回日展 (平成28年度) 入選点数および審査所感

入選点数一覧

  第1科
日本画
第2科
洋画
第3科
彫刻
第4科
工芸美術
第5科
合計
応募点数 475 1,910 134 706 8,402 11,627
入選点数 213 622 99 446 1,000 2,380
うち新入選数 31 70 8 38 227 374

審査所感

第1科 日本画 審査主任 福田千惠

今年の夏はオリンピック・パラリンピックから感動を頂きました。秋には改組新日展が三度目を迎えます。嬉しく存じますことに、応募に関しましては、昨年より23点増え475点となりました。審査にあたりましては、この度も外部より3名をお迎えし、公正性、公平性を重視し、現今の社会情勢を反映した多種多様な作品のあふれる中、次なる日本画壇を担う作家を捜すことに専念致しました。入選作には若々しい作・じっくりと画面に向き合った作などがありしっかりと見させて頂きました。特選は10点で何度も討論と投票を重ね決定致しました。選外の作にも心動かされた作品があったことを記しておきます。さらにこれからも日展日本画がより明確なる構想と持続力を持ち、進歩していくことを望んでおります。

第2科 洋画 審査主任 樋口 洋

改組新日展も3回目となると緊張感が緩みがちとなるので、一層気を引き締めて臨んでいかなければならない。そんな思いに、幸い3名の外部審査員も鋭い目を持って公正な審査に息を合わせて下さった。審査員であること、即ち審査員が審査されていることを自覚しての審査となった。
外部審査員を含む20名の審査員が、公正公平にこだわり、応募力作を一点一点優秀なものを見逃すまいと懸命であった。結果、1,910点の応募から、初入選70点、入選622点となった。
応募作品を個別に見てみると、類型的なもの、奇をてらったもの、もう一歩踏み込んで欲しかったものがあったが、本物の作品には多くの手があがった。入選作をつぶさに申し上げるわけにはいかないが、陳列を見て各自で判断いただきたい。
特選については、将来の日展を背負って立つ作品が候補に挙がったと同時に、ベテラン、古参の人の作品にもすぐれたものがあり、とても喜ばしかった。全力を尽くし、鑑審査にあたられた審査員に心から感謝いたします。

第3科 彫刻 審査主任 山本眞輔

本年度の日展第3科の一般公募作品の応募点数は134点であった。近年、出品数は僅かに減少傾向にあるものの、平成26年度に日展が改組されてから3年目を迎え、新体制も定着してきた。
応募作品は、堅実な具象を希求するものや、イメージ豊かな表現を試みた作品など、いずれも彫刻芸術を探求する真摯な取り組みの跡が見え、好感が持てた。具象表現を主軸とした人体作品が多い中、動物をモチーフとしたものや、大型の実材に挑んだ多様な作品も見られた。
審査は外部審査員3名を加え、総数20名、審査員行動基準(ガイドライン)に沿い厳正かつ慎重に行った。造形力、表現力に秀でた99点を入選作品として選考した。初入選は8名。特選は厳選の末、特に秀でた造形性、豊かな着想のあるもの、量感を訴えるものなど9点を選出した。少子化などの社会現象で、若年層の育成が減速している現状と、作品発表の場の多様化など、公募展にとって厳しい状況がある中、日展第3科の会場から新たな彫刻芸術を発信し、素晴らしい余韻を観賞者の心に届けることができることを切に願うものである。

第4科 工芸美術 審査主任 春山文典

改組 新 第3回日展は搬入数706点となり、昨年度より僅かではあるが減少した。春先の九州・熊本地震、東北を中心とした台風・大雨の影響もあったのであろうか。しかし出品作品は例年に劣らず制作に長い時間かけた力作が数多く見受けられた。
もとより工芸美術は多種多様な表現技法、分野にわたっており、出品作品に対して審査員全員が一点一点丁寧に、厳正な上に公明正大に、多数決・積極的な議論を積み重ねた鑑審査の結果、入選数446点(内新入選38点)となり、更に本年度の工芸美術の華となる特選10点の内訳は工芸8つの種別・分野と多岐にわたっており、今日の日展、工芸美術の姿を俯瞰したかたちとなった。特選以外にも、若々しい意欲的な作品もあり、一定の成果があった。受賞者は慢心することなく、入選者もなお一層の努力を重ね、制作に励まれることを期待する。

第5科 書 審査主任 星 弘道

改組して第3回目を迎えるにあたり、より良き審査方法が検討され、専門性を重視した選考が行なわれた結果、公平性は当然のことながら、より深く1点1点の評価が出来た。
8,400点を超えた応募があり、その中より1割強の入選者が決定されたが、相変わらずの厳しい結果である。審査は、20人の審査員が一丸となって積極的に良い作品を選び出す作業が九日間にわたり行われた。
日展の書に相応しい書格を有し、表現の妙がある新しい息吹を感じさせる作品が選考された。当然のことながら入落線上の作品は甲乙つけがたいものがある。然し決定しなければならぬこと故、審査員一同大変頭を悩ます結果となった。
残念ながら選外になった方も、あと少しで良い結果を得られることと思うので、さらなる精進を続けていただきたい。
特選は、篆刻1点、調和体1点、仮名3点、漢字5点の10点が選考された。それぞれ独自性をもった輝きある作が、厳正な審査のうえ決定された。
日展の書は、常に格調を重んじ、高い精神性、古典を背景とした独自性が最重要と思っている。さらなる高みを目指し日本文化の発展継承の役に立つ存在となり得るよう努力したい。
長期間の審査に携われた皆さんに心より感謝申し上げます。